電話相談・来所相談・同行支援

女性の抱える問題に対し、電話や来所による相談、弁護士との面談や裁判所への同行、書類作成のサポートなど、さまざまな形の相談・支援を行っています。

女性のためのシェルター・ステップハウス運営

夫や恋人からの暴力の被害に遭っている女性が避難できる一時シェルター、またその後の自立に向けた中間施設(ステップハウス)を運営しています。

★シェルターは夫や恋人など、身近な人からの暴力から逃れるための、安全で安心できる場所を提供しています。

★ステップハウス(生活用品が揃っています)は生活を立て直していくための準備をする場です。(新潟市から助成をいただいています)

講演会・講座などの企画運営

情勢問題に関する講演会等を企画・開催、啓発活動や学習の場を提供しています。2006年からは「デートDV防止セミナー」に力を入れています。

会報「くりあ」発行

「くりあ」は会員に毎月送付し、会員とスペースを結ぶパイプの役割を果たしています。スペースの活動を報告し、相談者の声や会員の方からも文章を寄せていただき、会報を通して理解を深め合い、共に女性や子どもに人権が尊重される社会の形成を目指していきたいと願っています。

・ DV防止、デートDV防止のリーフレットや啓発冊子を発行し、広く啓発に努めています。

女性問題に関する自助グループ支援

同じ悩みを持った人たちが、安心して自分を語り、共感を持って聴いてもらう中から、自分を取り戻し、自己回復をしていく大切な場となっています。

・話す・聞く会(「パートナーとの関係を考える会」改め)

・親と子の関係を考える会(児童虐待を考えいる集い)

ネットワーク

「女のスペース・にいがた」の活動から「女のスペース・ユニオン」「CAP・にいがた」「新潟フェミニストカウンセリングセンターまど」が生まれ、相互に連携を取り、活動を深めサポートし合っています。またスペースに集う女性たちの手仕事の会「ちくちくの会」が適宜開催されています。仲間と楽しくコミュニケ―ションを取りながら作業をして、仲間への信頼と自信を取り戻すことに繋がっています。
・ 県内グループ「女のスペース・ながおか」「カウンセリングじょうえつ」とも連携しています。

ケース

★Aさん 30代 夫からの暴力

電話が鳴った。「家を出てもう2週間になる。相談に行きたい」。
友人の家に、着の身着のままで身を寄せて1週間以上になるとのこと。“女のスペース・にいがた”は、その友人から教えられたそうだ。夜、来所したAさんは生後3ヶ月の乳児を連れていた。夫からは、その子を妊娠している間もつかみかかって身体を振り回す、腰や背中を蹴る、踏みつけるなどの暴力があり、2週間前のその日、耐えかねたAさんは手近にあったバックをつかんで子どもを抱き、車で逃げ出したと言う。数日間は車の中で生活し、ほとほと困り果てていたところ、偶然スーパーで友人に出会い助けてもらったのだと言う。その夜はスタッフが同宿してシェルターに泊め、翌日、公機関へ。
数日間面談に通った。「夫の暴力はこの子に遺伝しますか」。「暴力は遺伝じゃありません。学習するんです。あなたがお子さんを連れて逃げてきたから、お子さんは大丈夫」。「良かった…、それだけが心配でした」。体中の緊張が解けていく様子が見てとれた。暴力の連鎖は遺伝ではない。子どもは親からや周囲のおとなから、暴力によって他者を支配する人間関係を学習する。

★Bさん 30代 夫からの暴力

結婚すると夫から「スカートをはけ」「痩せろ」…と要求され、従わないと暴力を振るわれるようになった。同棲時には無かった。「暴力は絶対ダメ」と思っていたので友人に介入してもらい、夫も納得して暴力は無くなったが、今度は飲酒後の説教が始まった。「お前が太っていることで俺は恥をかかされている」…。だんだん「私が悪い」と謝り、どんな要求にも応じざるを得ないと思うようになった。夫の浮気もわかり、私は精神的にも病み、不倫の責任が私にあり、私が悪いという思いに苦しんだ。
友人は「不倫は犯罪。あなたが責められる必要はない」と、女のスペース・にいがたを紹介してくれた。
スペースで「あなたは一人の人格を持った人間。夫の付属物ではないですよ。」と言ってもらい、カウンセリングで自分の中に取り込まれたDVの影響や、男女が対等でない社会によって植えつけられた価値観に気付いた。
離婚後も、カウンセリングやDVの講座を受けることで心の整理をしてきた。(本人手記より抜粋)

<メモ>
身体的暴力以外の精神的暴力、性的暴力、経済的暴力は暴力であると認識されにくいが、DVは複数の暴力が絡み合って起きている。だから当事者だけでは気付くのが難しい。まず相談、そして知識が力になる。もし相談されたら「(暴力に関しては)あなたは悪くない」と何度も言ってあげよう。

★Cさん 20代 デートDV 恋人からの暴力

若い女性二人が来談した。友人のYさんが顔に青痣を作っていたので問い詰めたら「恋人から殴られた」と告白したのだという。金銭上のトラブルもあるらしい。本人からの相談でなければ何ともしてあげようがないこと、恐怖に支配されていると関係が絶ち切れない場合があること、またそうした男性は避妊に協力しないことが多いので望まない妊娠をする可能性があり、早い解決を図る必要があると伝えた。
数日後、Yさんから電話があり郊外の大型店駐車場で待ち合わせる。話をしている間も、車で移動している時も、数分おきにケイタイ電話が鳴る。「(彼からの電話に)でなくっちゃ」「出ちゃダメ」。その夜、スタッフは初めて知らされて驚く両親を説得し、翌日、両親とYさんに同行して所管の警察署へ相談に行った。110番通報があったら最優先で出動してくれることを約束してもらい、皆ほっとする。金銭上の問題もあり、弁護士に依頼し解決を図った。友人たちの機転、本人の勇気ある行動、そして動揺しながらも受け入れた両親の理解があってよかった。

★Dさん 10代 デートDV 恋人からの暴力

高校一年生のHさんは、彼の束縛がいやで別れ話をしたところ、彼から「付き合ってくれと言っておいて別れたいと言うなんて、お前が悪い。毎日俺の教室に謝りに来い! 謝りに来ないとぶっ潰すぞ!」というメールがきた。とても怖くなって初めてお母さんに相談し、お母さんと一緒の女のスペース・にいがたに相談に来た。「私から付き合ってほしいと言っておきながら、いやになって一方的に別れ話をした私が悪い。だから彼に謝りに行く」と自分を責め、「行かないともっと怖い目に合される。言う通りにするしかない」と思い込んでいた。
「あなたは悪くない」「怖い目に合わされていい人なんていない」「あなたは大切な人」と長い時間をかけて何度も言った。その後、Hさんは友だちと彼の教室に行き「メールは止めてほしい」と伝え、信頼できる先生にお母さんと一緒に相談することができた。
次の日、彼から呼び出しがあったが、先生に相談し、彼の言いなりにならず、行かなかった。その日の帰り道、彼が待ち伏せしていたが、みんなが味方になってくれていると思うと勇気が出て、「私も悪いところはあったかもしれないけど、こういうメールはやめてほしい。もうメールをくれても返事はしない」と彼にはっきり言うことができた。以後彼からの呼び出しは無くなった。

<メモ>
携帯電話を使って束縛することは若い恋人たちの間でよくみられ、お互いに暴力と気付いていないのでエスカレートする例が少なくない。また相談された時に別れるように言うことは逆効果になる。別れられず、もう相談してくれなくなる可能性も高い。話をじっくり聴き、共感し、どうしたいのか何度も何度も聴いて、自分で考える力をとりもどすことができます。また仲の良いときでも裸の写真をとるのことは絶対にしないで下さい。別れ話になった時など、どう使われるか心配です。

★Eさん 60代 息子からの暴力

「なんでこんなことになったのかわからない」。年老いて、日常の家事や草花の手入れに喜びを感じながら毎日を過ごしてきたし、これからもずっとそうして暮らしていくものだと思っていたのに、長男から度重なる暴力を受け、家を出た。「お父さんが○○しなければよかったんだけど」「私が警察を呼ばなければよかったんだけど」「もっと××してやればよかったんだけど」と、多くの後悔がMさんの口からこぼれ落ちるが、息子を責める言葉は出ない。
傷ついて落ち込むMさんの気持ちが落ち着くように、スタッフは毎日面談を続け、地域包括支援センター、区役所などいくつもの公共機関とネットワークし、Mさんの安全な生活を援助するために動いた。
住宅の候補、生活費の確保、家族との連絡調整、その他諸々。それでも「どうしたいの?」とたずねると、彼女の答えはいつも「家に帰りたい」だった。帰れば同じ暴力が繰り返されるのに。数か月後、頼りにしていたが「お母さんはもう家に帰らない方がいいよ。その方が兄貴も自立する」と言って、ようやくMさんの心は決まった。明るい表情で、新たな一人暮らしへ向かって、準備を始めた。